悲しい目をしたマユゲ犬2.0

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印象派美術展

学校サボって行ってきました(笑)
テーマとしては印象派〜20世紀の絵画ということで近代絵画が主で、ルノワールを始めとする印象派からマティス、ピカソなどへ。近代は主にフォーヴィスムキュビスムにテーマを分けて展示していました。前者の代表がマティスなど、後者の代表は言わずと知れたピカソなど。
フォーヴィスムは画家の主観に基づいた色彩を描くという、言わば「色彩の解放」、対してキュビスムは「構成の解放」と言えます。どちらも印象派からずっと眺めているとそれなりの段階が見えてきます。フォーヴィスムマティスに代表されるとおり、具体的には色彩のコントラストの高い、原色的な色使いを用いて描かれる、印象派の柔らかな感じとは一見すると結びつきそうにない色彩的派手さが感じられますが、絵画の技法に着目してみると印象派の技法が用いられているのがわかります。というか今日絵を見ていて気づきました。印象派からの脱却ではなく発展なのですね。対して、キュビスムは絵画の歴史的に見るとかなり異色に感じられます。何しろ絵そのものが全く現実的・写実的ではなくひどく内面的、あるいは抽象的・象徴的だからです。
しかしフォーヴィスムキュビスム、絵画を眺めていてどちらにも共通することを発見しました。それは「現実からの乖離」です。印象派を含めるそれ以前の絵画はタッチの差はあれ、テーマそのものは現実世界に基づいた写実的なものが殆ど、あるいは全てです。架空を題材にした宗教画であっても人物や背景は現実の世界をモチーフにしています。要するに人間はちゃんとヒトの姿形をしていて、晴れの日の空は必ず青なのです。ところがフォーヴィスムは現実に存在しない画家の主観の色になり、キュビスムにいたってはそもそも写実ですらありません。おそらくどちらも、現代のように絵画が概念的に複雑化して一人歩きする直前のひとつのスタイルなのでしょう。流行とも換言できるかもしれません。……音楽の歴史も絵画の歴史と非常に密接に関係しているのですが、それは今回とは関係のない話。閑話休題。つまり、複雑化することは、芸術にとっては必ずしも良いことを齎さない、というのが言えるでしょう。そもそも視・聴の大衆を置いてけぼりにして独りよがり一歩手前(あるいはそのもの)のモノを創造し続けた時代や風潮も悪かったのでしょうね。その全てが悪とまでは言いませんが。
……と、偶には真面目なことを書いてみました。
結論。授業をサボった分に見合う収穫は随分ありました。(ぉ
偶にはこうして心の洗濯をするのも良いですよ。