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悲しい目をしたマユゲ犬2.0

音楽制作・読書・ゲーム・時々マジック


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タブロイドと愉快な仲間たち「超解読涼宮ハルヒ」

読書

読了。ネタバレは書きません。
超解読涼宮ハルヒISBN:486199084X
前半が原作小説、後半はアニメ版について。なんというか、ファンが集まって好きに書いたという臭いがプンプンするあたり、良くも悪くも同人誌的です。一部の記事の質もね。記事を考察するにあたり、原作の出典元をきちんと引用抜粋して証左・あるいは反証として論じているあたり理解はしやすいのですが、記事によっては牽強付会も甚だしい、恣意的で単なる妄想全開なものも一部見受けられるので、読者はあまり真に受けないよう注意が必要。「××なのではないか?→そうに違いない(そうなのだ)」という構図の、不明確な推測・憶測の分析からこじ付けでいきなり断定という、事実と推論が区別されていない、とても論理的とは言い難い調子の稚拙な記事が一部散見されたり、その記事の担当筆者に些か熱が入りすぎて視野狭窄になってしまったかのような感じが見受けられたり(よくいる論じたがりのオタクの口調にそっくりなあたり、やや幻滅しますが)。筆者が複数なので記事の質にそういったばらつきもあるんでしょう。せめて、推測なのに断定口調な部分は直して欲しかったですが。ただ、後半のアニメに関する記事の方は幾分マシになっています。まあ、こちらは解読・考察というより制作裏話的な側面の内容や解説も多いので(=事実のソースが多い)、妄想じみてぶっ飛んだ記事もさほど書けなかったのだろう(また、書く必要もなかったのだろう)というだけの話なのかもしれませんが。
エヴァのときもこういった半分妄想の「解読本」がよく出版されていましたが、本著もそれに似たようなものです。しかし、そもそも原作シリーズがまだ完結していないにもかかわらずこのような本を出すこと自体が、些か時期尚早だと思います。エヴァのときは本編が完結したにもかかわらず、謎があまりにも多かったために考察・解読本が乱発されたのですが、今回は事情が異なりますからね(少なくとも原作シリーズに関しては)。現時点での最新作「涼宮ハルヒの分裂」まで考察は及んでいますが、今後原作者によって明らかになるかもしれないことまで推論しているのは、時間が解決する可能性があることを待たずに完全に先走っている形で、ある意味で全くの無駄です。もっとも、背面のオビにはこうも書かれています。

ハルヒに魅せられた筆者たちの妄想分析が迸る!

解読本でありながら「妄想」と先に断っておくことで、それがこの本の存在意義に対する一種の免罪符になっているんでしょうか(解読と称していながら論理的思考・考察を放棄しているという意味で)。そう考えると解読本にしては随分弱気で後ろ向きに見えてきますが……。それを踏まえると、ここにつらつらと書かれている私の感想は、砕ききった言葉を使えば「ネタにマジレス、カッコワルイ」という自虐なことになるんですが(笑)
結論。純粋に読み物としては面白いと思いますが、「副読本」としての価値はそれほどでもないように感じられます。特に前半部。ここに書かれていることは額面通りまともには受け取らず「へぇ、そういう解釈や推測もあるんだ。ふーん」程度で終わらせておくのが一番でしょう。まあ、思わず目から鱗が落ちるような興味深い考察や解説も幾つかあるので、シリーズ読者は一度目を通してみるのも一興かと。なんかトンデモネタな本みたいな言い方ばかりしてきましたが、前半部も後半部もしっかりした内容の記事はちゃんとあります。念のため。